市街化区域内で生産緑地の指定を受けている農地のを相続した場合の農地転用手続き(農地法4条)
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自己の所有する農地を農地以外にする場合には、農地法4条の許可が必要です。
農地法4条の許可を得るには、「立地基準」「一般基準」を満たしていなければなりません。
「立地基準」で相続した農地が農地転用可能な土地なのかどうかを確認し、「一般基準」で農地転用事業が実現可能なのか?(すぐに転用できるのか?資力はあるのか?他の権利者の同意をとれているのか?近隣の農地に影響をあたえないか?等)を確認します。基準を満たしていれば農地法4条の許可を得ることができます。
また、農地を貸していないか?、他の権利が設定されていないか?、開発許可が必要な転用ではないか?等も合わせて確認します。該当するものがあればそれぞれ対応しなければなりません。
さらに、生産緑地の指定を受けている場合には、生産緑地の行為制限の解除をしなければいけません。生産緑地は、生産緑地法で一定の行為が制限されています。
(生産緑地地区内における行為の制限)
第八条 生産緑地地区内においては、次に掲げる行為は、市町村長の許可を受けなければ、してはならない。ただし、公共施設等の設置若しくは管理に係る行為、当該生産緑地地区に関する都市計画が定められた際既に着手していた行為又は非常災害のため必要な応急措置として行う行為については、この限りでない。
一 建築物その他の工作物の新築、改築又は増築
二 宅地の造成、土石の採取その他の土地の形質の変更
三 水面の埋立て又は干拓
そのため、生産緑地を転用して宅地の造成や建築物の建築をするためには、生産緑地の行為制限の解除が必要となり、解除後に転用届を出して転用をします。
出典:国土交通省
上図のように、生産緑地の行為制限の解除は、市町村に対し生産緑地の買取申出をし、買取りを拒否されることが必要です。市町村への買取申出は、生産緑地に指定された旨の告示日から30年を経過するか、生産緑地の所有者が死亡または故障により農業に従事できなくなった場合に限られます。(特定生産緑地の指定を受けた場合は、特定生産緑地の指定の申出基準日から10年を経過する日となります。)
生産緑地の買取申出に当たって必要な書類
生産緑地の買取申出に当たっては、買取り申出書のほか、一般的に、以下のような書類が必要です。
- 対象の土地の土地登記簿謄本
- 農業従事者証明書
買取申出事由が主たる農業従事者の死亡の場合
- 遺産分割協議書
- 遺言書
自治体によって必要書類が異なりますので、生産緑地の所在地の役所(都市計画を管轄する部署)に必要な書類については事前に確認するようにしましょう。
生産緑地行為制限解除後の手続き等(農地法4条届出、地目変更登記)はコチラをご覧ください。