市街化調整区域(農振地域内農地)で自己のために農地転用する場合の手続き(農地法4条)
ツイート相続した農地の所在地が市街化調整区域内であり、農業振興地域農用地区域内農地(青地)である場合の、自己所有のままの農地転用(農地法4条)の手続きはどのようにすればよいのでしょうか?
このケースの場合、対象農地が市街化調整区域内にあるということなので農地法4条の許可を得なければなりませんが、農業振興地域内農用地区域内農地(青地)であるため、農地転用することができません。
そこでまず、農用地区区域内農地の除外申請をしてから、その後に農地転用をするという流れになります。
国と自治体が「おおむね10年間を見通して農用地として利用すべき土地として設定した区域」が農振地域でありその中にあるのが青地であるため、これを除外するとなるとかなりハードルが高い手続きとなります。(原則青地は転用できません)また、手続きに要する時間も多くなります。
農振除外の申出
青地は原則転用することができませんので、対象農地が青地である場合には、青地から除外してもらう必要があります。
この除外申出のことを「農地利用計画変更の申出」通称、農振除外の申出といいます。
農振除外をしてもらうには以下の要件をすべて満たしている必要があります。
- 農用地区域以外に代替すべき土地がない
- 地域計画の達成に支障を及ぼすおそれがない
- 除外により、土地の農業上の効率的かつ総合的な利用に支障がない
- 効率的かつ安定的な農業経営を営む者に対する農地の利用の集積に支障を及ぼすおそれがない
- 除外により、農用地区域内の土地改良施設の有する機能に支障を及ぼすおそれがない
- 農業基盤整備事業完了後8年を経過していること
申出は、市町村あてに提出するため、申出書の書式も市町村ごとに用意されています。申出書では、代わりに利用できる土地がないことや、青地から除外した後に確実に転用できる計画であるかという点を説明します。
青地の転用の可否は、その立地が大きくカギをにぎっているため、事前の相談の段階で立地上転用が難しい場合はあすぐにその旨の回答をもらえます。
もし、青地から除外した上で転用できる見込みが立つようであれば、次に都市計画法など他法令の見込みが立つかをそれぞれの窓口で協議します。他法令の見込みも立つとなってから、農振除外の申出を行うことになります。
農地転用の手続き
上記の農振除外が終われば、次に農地転用の手続きを行っていきます。
自己所有のままの農地転用であれば農地法4条の手続きが必要です。今回のケースでは対象農地が市街化調整区域内にあるので「農地法4条の許可」必要です。
事前確認
以下の内容について事前に確認しておきます。
- 他の権利が設定されていないか?
- 開発許可が必要な転用か?
- 納税猶予制度の適用を受けていないか?
詳しくはコチラをご確認ください。
農地転用の要件の確認
農地法4条許可をもらうためには、対象農地が「立地基準」「一般基準」という2つの要件をクリアしていなければなりません。
基準を満たしているかどうかについては、申請書や添付書類等から確認される事になります。
必要書類や許可の流れについてはコチラをご確認ください。
地目変更登記
地目変更登記は、所有権登記名義人が申請します。申請先は対象不動産の所在地を管轄する法務局になります。登記申請には、申請書の他に農地転用許可書(農地法4条の許可書)や地積測量図が必要となります。
地目変更登記は「表示に関する登記」に分類され、土地家屋調査士が代理して申請することができます。