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市街化区域内で生産緑地の指定を受けていない農地を相続した場合の農地転用手続き(農地法4条)

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相続した農地が市街化区域内で生産緑地の指定を受けていない農地の場合、自己の為の農地転用をする場合にはどのような手続きになるのでしょうか?

 

生産緑地の指定を受けているかどうかを確認するためには、農地台帳で確認することもできますし、生産緑地は、標識の設置等が義務付けられているので、現地で確認することも可能です。

 

生産緑地の指定を受けていないということであれば、買取りの申出等の手続きも必要ありません。

 

次に、農地が市街化区域内にあるため、自己の為に農地を転用するのであれば農地法4条の届出をする必要があります。届出が受理された後、農業委員会より2週間以内に受理通知書が交付されます。
この受理通知書が交付されるまで、転用事業に着手することはできません。

 

また、つぎの事についても確認する必要があります。

  • 農地を貸しつけていないか?
  • 他の権利が設定されていないか?
  • 開発許可が必要な転用ではないか?
  • 相続税納税制度の適用を受けていないか?

 

農地を貸し付けている場合

農地を農地法3条の許可を得て貸し付けている場合は、転用届出をする前に、借受け人と貸借を解約する必要があります。
賃貸借の解約は、原則、都道府県知事等の許可や合意解約した通知を農業委員会に行う必要があります。

 

他の権利が設定されている場合

区分地上権等の権利が設定されている場合は、権利者の同意が必要となります。例えば敷地上空に電力会社の高圧電線が通っていたりなど。

 

開発許可の必要性

市街化区域内ですと1000u未満(500u未満)の開発行為の場合は開発許可は不要ですが、それ以上になると開発許可が必要となります。(自治体によっては、開発行為に該当しない旨の証明書が必要なところもあります)
開発許可が必要な場合は、転用届出にあたり、添付書類に開発許可を受けたことを証する書面等の添付が必要となります。

 

開発行為とは、建築物の建築を目的として、土地の区画・形・質の変更を行う事を言います。

 

相続税納税猶予制度の適用を受けている場合

相続税納税猶予制度は、農地の相続人が農業を継続する場合に相続税額を猶予するという制度です。この場合に認められている転用行為は農業施設等に限られています。
そのため、農業施設等以外で農地を転用する場合(例えば宅地など)は、制度の打切り(期限の確定)となり、転用する面積部分の猶予税額に利子税を付して2カ月以内に税務署に納付することになりますのでご注意ください。

 

農地法4条届出手続きの流れ

農地転用手続きは、事前に農業委員会に対し宅地等に転用する旨の届出をします。届出は管轄の農業委員会(農地の所在地の役所)に対しておこないます。
手続きの流れは以下の通りです。

 

 

必要書類

農林水産省の農地法関係事務処理要領によれば、以下の書類を提出することになっていますが、自治体によってローカルルールがあり、提出書類は異なるため、事前に農業委員会に必要書類を確認する必要があります。

 

  • 土地の位置を示す地図(縮尺は、10,000分の1ないし50,000分の1程度)
  • 土地の登記事項証明書(全部事項証明書に限る。)
  • 届出に係る農地が賃貸借の目的となっている場合には、その賃貸借につき法第18条第1項の許可があったことを証する書面

 

地目変更登記手続きと必要書類

地目変更登記の申請先は、対象不動産の所在地を管轄する法務局です。申請者は所有権登記名義人となります。
必要書類は登記申請書のほかに次のような添付書類が必要です。

  • 受理通知書(農地法4条の届出)
  • 地積測量図
  • 委任状(土地家屋調査士を代理人として申請する場合)

地目変更登記は、原則として登記官が現地確認を行うこととされています。しかし、土地家屋調査士が代理する場合には、現況地目が確かに「宅地」であることの「報告書(写真付き)」が作成されるので、登記官の現地調査が省略されることがあり、登記の完了スケジュールが短縮されることがあります。

 

 


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