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市街化区域内で駐車場にするために農地を譲渡する

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農地を転用目的で譲渡や利用権設定(賃貸)をするに当たっては、その農地の所在地により規制が変わりますので、農地の所在地を確認する必要があります。

 

今回のケースでは市街化区域内で生産緑地の指定がない場合になるので、以下の図に示す農地になります。
農地であるかどうかは現況や地目によって判断されることになります。

 

 

 

農地所有者から当該農地の所有権が農地として利用しない(できない)第三者に譲渡したり、賃貸する場合には農地法5条の「届出」が必要になります。(農地所有者自身が利用する場合には農地用4条の手続きとなります)

 

前述の通り、農地を農地以外のものに転用するために権利を設定したり、所有権を移転したりしようとする場合には農地法5条が適用されます。
市街化区域内の農地の転用をする場合には、「農業委員会」に対し、届出を行うことで転用する事ができます。

 

農地転用に伴う譲渡若しくは利用権設定を検討する場合には、早い段階で農業委員会に相談することをオススメします。その上で、提出する申請書の作成や、必要書類を入手し、農業員会に提出します。

 

事前の確認事項

以下の事について事前にチェックしておきましょう。

 

相続税納税猶予制度の適用うけていないか?
相続税納税猶予制度は、農地の相続人が農業を継続する為に一定の要件を満たせば、猶予税額の納税が免除となる制度です。このため、この制度の適用を受けている農地を転用した場合、制度の打切りとなり、転用する面積部分の猶予税額に利子税を付して、2カ月以内に税務署に納付する事になります。

 

・農地を貸しつけていないか?
農地を農地法3条の許可等を得て貸付けている場合は、転用届をする前に、仮受人と貸借を解約する必要があります。

 

・他の権利が設定されていないか?
区分地上権等の権利が設定されている場合は、権利者の同意等が必要になります。

 

・開発許可が必要な転用であるか?
開発許可が必要な転用事業の場合は、農業委員会に農地転用の届出をするときに開発許可書が必要となります

 

 

農地法5条の届出手続

譲渡対象地が市街化区域の農地である場合は、当事者の合意に加えて、届出により権利の移転が可能です。
届出に際しては、以下の書類が必要となります。

  • 届出書
  • 土地登記事項証明書
  • 位置図(住宅地図等に”しるし”をしたもの)
  • 必要に応じて、住民票、地積測量図

 

記載例、注意事項

○届出書
書式自体はシンプルですが、所有権の移転が伴う場合には注意が必要です。農地の所有権移転には、届出が必要です。仮に売買契約代金の清算が済んでいたとしても、所有権の移転の協力は届出後にしか生じません。

 

また、所有権移転の登記をする際には、法務局で農地法の届出がされているかチェックがされますが、届出さえされていればいいというわけではなく、届出書の中の譲渡人と譲受人は住民票どおりに正確に記載されていないと登記してもらえません。
住所や氏名が間違っていたり、譲受人が複数いた場合に登記したい持分と違う標記になっていたりすると登記申請が通らないため、届出書をだし直すことになってしまいます。

 

 

無断転用に注意

農地法5条の手続きが必要であるにも関わらず、無断で転用目的で農地の所有権を移転、若しくは賃貸した場合には、無断転用となり無効となります。
無断転用の場合、都道府県知事は、無断転用者らに対し、特に必要があると認めるときはその必要の限度に
応じて、工事その他の行為の停止や、相当の期間を定めて原状回復の措置を講ずることを命じることができます。
また、無断転用の場合には3年以上の懲役または300万円以下の罰金の罰則が規定されています。

 

相続で農地所有権を譲り受けた場合に、既に建物が建っていて事実上転用されている場合などは、事後的な転用許可申請を行うと農業委員会が許可を出す運用があります。
ただし、事後的な申請が許可されるかどうかは状況次第なところもあるため、一旦、農業委員会に対応を相談するのがよいでしょう。

 

手続きの流れ

手続きの流れは各自治体(農業委員会)によっても変わります。届出前に対象農地を管轄する農業委員会によく確認しておきましょう。参考として大阪府堺市の手続きの流れを掲載します。

 

出典:大阪府堺市

 

 

農地転用許可申請の時にはあるのですが、届出の場合には、実際に転用がなされたかの事後的なチェックがありません。また資金計画のチェックもありませんし、他法令の許可の進捗確認などもさほど厳密ではありません。

 

 

 


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